フラメンコの楽しみ方

「フラメンコってかっこよさそうだけど、難しそう。」とか「フラメンコを聴きたいけど何から始めていいのかわからない。」という声をよく聴きます。
そんな声にお答えして、フラメンコの聴き方、楽しみ方をお届けしたいと思います。

フラメンコは「聴けば聴くほどハマッてしまう」そんな音楽だと思います。フラメンコを楽しむためには、多少コツが要ります。そのコツを掴んでしまえばもっと楽しめるようになります。
フラメンコ入門の手っ取り早い方法は聴くことです。まずはCDを選ぶところから始めてみましょう(^^)

まずは聴いてみよう!CDの選び方
楽しみ方1「形式」の存在を知ろう!
楽しみ方2「アーティストの個性」を感じよう!

楽しみ方3 CDを聴き比べよう!

フラメンコをより楽しむために

まとめ





まずは聴いてみよう!CDの選び方



フラメンコのCDは、主に出すアーティストによって分けられます。



1. ギタリスト

2. 歌い手

3. その他のアーティスト(踊り手やバンド、打楽器奏者など)



などです。



フラメンコの名盤と言われているものを選べば間違いないのですが、フラメンコの初心者の方には何を聴いていいのか分からないかもしれませんね。ここでいくつか、オススメのアーティストを紹介したいと思います。オススメCDはこちらから

インターネット上にも、オススメCDを紹介しているページがいくつもありますので、そちらも参考にしてみてください。




楽しみ方1「形式」の存在を知ろう!



さあ、ここでは、実際に1枚のCDを取り上げて、その聴き方をご紹介したいと思います。



今回取り上げたのは、

パコ・デ・ルシア/ライブ・イン・アメリカ

です。試聴はこちらから



ほとんどのフラメンコCDの曲目の表記はこのようになっています。



1.Mi niño Curro (Rondeña)

2.La Barrosa (Alegría)

3.Alcázar de Sevilla (Bulería)

4.Peroche (Tanguillos)

5.Tío Sabas (Taranta)

6.Soniquete (Bulería)

7.Zyryab

8.Buana buana King Kong (Rumba).




曲名の隣に、( )があり、その中にも何やら文字が書いていますね。

これは、その曲の形式を表しています。



一口にフラメンコと言っても、リズムや曲調などに形式が分けられ、その種類は50種類以上あるといわれています。

フラメンコを楽しむ第1歩としては、「どんな形式があるか?」というのを知ることです。



フラメンコの面白いところは、

同じ形式でも、アーティストによって表現方法がまったく異なるところです。



次項では、具体的な形式名を取り上げて、その違いを解説したいと思います。





楽しみ方2「アーティストの個性」を感じよう!



フラメンコのアーティストは、形式を元にメロディーや構成を作り、1曲を仕上げるわけですが、同じアーティストによる同じ形式でも、雰囲気がガラっと変わることが多々あります。



前項で取り上げたパコ・デ・ルシア/ライブ・イン・アメリカの中でもそうです。

3曲目のAlcázar de Sevilla (Bulería)と

6曲目のSoniquete (Bulería)は

()の中身から、どちらも同じBulería(ブレリア)という形式がわかります。

ブレリアは「1コンパス12拍、半音階の曲調」の形式です。



実際に聴いてみると分かりますが、

3曲目のAlcázar de Sevilla (Bulería)は、歌が入り、フルートが入り、ベースが入り、パーカッションが入るというバンド形式になっており、

6曲目のSoniquete (Bulería)は対照的に、カホン1台を伴奏にギターソロに近い形式になっていることがわかります。

この2曲は一見まったく違う曲に聞こえますが、どちらも同じブレリアなのです。

この違いは、バンド形式かギターソロの違いによるところもありますが、

バンド形式のブレリアは、アンサンブルの美しさが感じられます。

ギターソロとしてのブレリアは、もっと伝統的な感じがします。



このように、同じパコ・デ・ルシアの、同じブレリアという形式でも、曲ごとでまったく雰囲気が異なることが分かります。それがアーティストの個性につながるのです。




楽しみ方3 CDを聴き比べよう!



フラメンコには多くの形式が存在していますが、アーティストによりその表現方法は千差万別です。

ここでは、

パコ・デ・ルシア/ライブ・イン・アメリカの2曲目La Barrosa (Alegría)

を取り上げてみます。

La Barrosa (Alegría)という表記から、

曲名はLa Barrosa(ラ・バロッサ)、形式名はAlegría(アレグリア)ということが分かります。

アレグリアは、1コンパス12拍で、スペイン南部カディス県で生まれた明るい曲調が特徴です。

実際聴いてみると、パルマ(手拍子)を伴奏に、パコ・デ・ルシアがギターで演奏しています。使っている和音やコード進行はそれまでのアレグリアと比べると非常に革新的でありながら、スペイン南部アンダルシア出身のパコ・デ・ルシアならではの「アンダルシアの意気」を感じさせるアレグリアであることが分かります。



それでは、このアレグリアを聞き比べるために、

他のアーティストのアレグリアを聴いてみることにしましょう!

ここでは、ビセンテ・アミーゴのCiudad De Las Ideasの2曲目「La Tarde Es Caramelo」を取り上げたいと思います。→試聴はこちら


聴いてみると分かりますが、このアレグリアはパルマ(手拍子)に加え、歌、カホン(打楽器)、ハーモニカも入っているバンド形式で、

新時代のビセンテ・アミーゴらしい、甘くてせつないメロディーが特徴のアレグリアスです。



このように、同じ曲の形式でも、アーティストによって、まったく異なることが分かります。




フラメンコをより楽しむために



たくさんのCDを聴くのに慣れてきたら、

次は、自分でリズムを表現してみましょう!



音楽の楽しみ方は人それぞれですが、

フラメンコの醍醐味はリズム遊びができるかどうかに

かかっていると言えます。



そのためにはフラメンコのリズムについて

正しく理解しなければなりません。



フラメンコのリズムは、他のジャンルとは異なり、

曲ごとに形式が決まっており、

曲の中ではコンパスという特有のリズムパターンが流れています。



たとえば、フラメンコの形式のひとつであるブレリアは、

1コンパス12拍というリズムパターンです。



12拍を理解するためには、

時計をイメージしてみるとわかりやすいかもしれません。























このように12時から始まって、12時で終わる

そんなイメージです。



次に大切なのは、アクセントです。

ブレリアのアクセントは

12拍目、3拍目、7拍目、8拍目、10拍目にあります。














ブレリアのアクセントの位置















ブレリアは2拍子と3拍子の複合リズムとも呼ばれています。

12拍を

2拍子だけで取ったり、

3拍子だけで取ったり、

はたまた、2拍子と3拍子を組み合わせたり、

自由でありながら複雑なリズムパターンが存在するのです。



このリズムパターン(コンパス)を感じながら、

ギタリストはリズムを刻み、

歌い手は歌い、踊り手は踊るわけです。



しかし、同じようなリズムパターンを繰り返していたら、

次第に飽きてしまいますよね?

そこで、飽きさせないように

自分の中で、リズムパターンの引き出しを増やすことが大切です。



その引き出しを増やすために一番いい方法が、

ファルセータをコピーすることです!



ファルセータとは、ギターが奏でる、

メロディーとリズムの組み合わせによる短いフレーズのことです。

フラメンコのギタリストは、

形式的で制限のあるコンパスの中を、

ファルセータによって自分達の個性を生み出しています。



参考にするファルセータは、ギタリストが出しているCDを聴いてもらえると

すぐに分かると思います。



たとえば、基本的なギターソロの構成は、



イントロから始まり、

1つ目のファルセータがあり、

数コンパスのつなぎがあり、

2つ目のファルセータが始まり、

また数コンパスのつなぎがあり、

それを繰り返して、

エンディングのフレーズに行く・・・。



このように、

ファルセータとファルセータの間をその曲のコンパスで結ぶ

というのが基本的な構成の考え方なので、

ファルセータを見つけやすいと思います。



ファルセータを聴くことは、

その曲の形式のリズムパターンを知る一番の方法なのです。



自分の中にリズムパターンの引き出しを増やして、

リズム遊びをできるようにする。

それこそが、フラメンコの醍醐味なのです(^^)



まとめ

フラメンコを理解するには、まずいろいろな形式のフラメンコを聴くことです。
同じ形式でもアーティストにより千差万別なのです。さまざまなスタイルのフラメンコを聴いて、そこから自分のお気に入りのアーティストを見つけてみてください。

ちなみに、CDオンライン販売店大手のAmazon.comでは形式名が表記しているものはほとんどありませんでした。
ここは、フラメンコCD専門ショップの方が、曲名+形式名を書いてくれているので、そちらの方も参考にしてみてください。

http://www.flamenco-world.com/
http://www.esflamenco.com/

http://www.acustica.jp/contents/tienda/